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【メルマガアーカイブ】 レポート 日本ブドウ・ワイン学会(ASEV Japan)(2016年12月17日配信)

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  • 2018年07月30日
  • ワイン造り メルマガアーカイブス TV 真田丸 棚長梢(X字) 棚短梢(一文字) 垣根長梢(ギヨ) 垣根短梢(コルドン) 甲州 2016年12月 日本ブドウ・ワイン学会(ASEV JAPAN) ぶどう畑 ぶどう品種 

私、寺井が今回の最新情報をお届け致します!

 

みなさまこんにちは、今回で15回目の登場となります、蔵人の寺井です。
何やら、ショップの二人は「真田丸」の話題で盛り上がっているようですね。

 

私もわりと歴史は好きな方なのですが、やはり一番好きなのは郷土の英雄で私淑している、武田信玄公です。
真田家も旧武田家家臣ではありますが、幸隆、信綱父子の代くらいまでしか知らない為、今ひとつ彼らの
会話について行けず、少し寂しい思いをしています。

 

武田二十四将の一人“秋山伯耆守信友”(あきやまほうきのかみのぶとも)の屋敷跡に建つ山梨大学にて、
11月26日(土)、日本ブドウ・ワイン学会(ASEV JAPAN)の総会が開催されましたので参加をさせて
頂きました。

 

当日は様々なセミナーや、口頭発表がありましたが、その中で個人的に興味を持ったものを一つだけ、

この場を借りて掻い摘んで、ご紹介させて頂きたいと思います。(※の私の理解不足で間違った解釈を

お伝えしてしまうような箇所もあるやもしれません。その節は平にご容赦頂きたくお願い申し上げます。)

 

私が特に興味深く拝聴させて頂いたのは「仕立て及び整枝剪定方法の違いが“甲州”の果実特性に及ぼす

影響」という発表です。山梨県果樹試験場の渡辺氏、山梨峡東地域普及センターの三宅氏、山梨県

工業技術センターの小松氏、恩田氏、4氏の研究報告です。

 

“甲州”は一般的に、棚仕立ての長梢剪定で栽培される事が多いのですが、仕立て及び、整枝剪定方法の

違いにより、どのような変化が現れるのか、と言った内容でした。

 

比較を行った仕立て及び、整枝剪定方法は、棚長梢(X字)棚短梢(一文字)垣根長梢(ギヨ)

垣根短梢(コルドン)、以上、4つの仕立てでした。

 

棚短梢(一文字)の生育速度は、棚長梢(X字)とほぼ同じだが、ベレーゾン(ぶどうの色付き)は

垣根より3-5日早く、棚長梢(X字)より総酸含量が高く、熟期が遅れる傾向が見られる。

棚長梢(X字)に比べると収量は少ないが、作業時間が短縮出来る。適正樹勢の維持が課題である

そうです。

 

垣根長梢(ギヨ)では、ぶどうの糖度は高いが、果房重が小さく収量が少ない。新梢の生育が不揃いで

満開期の新梢も長く、適正樹勢の維持が難しい。また、節間も長く、翌年の結果母枝の確保も難しい為、

“甲州”は垣根仕立ての長梢剪定栽培には向かないとの事でした。

 

垣根短梢(コルドン)では、棚の長梢(X字)、短梢(一文字)に比べて、収量は少なかったが、

垣根長梢(ギヨ)よりは多く、作業も単純なことから樹冠の拡大等、更なる検討により収量の増加を

図れるものと考えられるそうです。

 

また、“甲州”では、新梢の基芽は花芽を持ちにくい事が解ったという事です。
(※“甲州”の基準単収は1.8-2.0t/10aです。)

 

上記の栽培方法の違いから得られた、4種の甲州葡萄を醸造した際の比較ですが、短梢、長梢、どちらの

場合においても、垣根栽培のほうがアミノ酸含量が多かったという事です。以前の研究で、アミノ酸含量

と酢酸イソアミルや、他の脂肪酸エステルと正の相関がある事が報告されているそうです

 

今回の試験に於いても、ワイン中の脂肪酸エステル類は、棚栽培の約1.0〜3.5倍含まれていたとの事。

また、バラ洋の香りがし、フルーティーさの増強に役立つ事が知られている、βダマセノンも垣根栽培の

方が多かったという事です。また、官能評価においても、垣根栽培のほうが良い評価のものが多かった

ようです。

 

これまでの甲州ワインの研究で、栽培方法の違いがワイン中の成分に大きな差が認められたのは初め

であり、甲州の垣根栽培の今後に期待が出来るとの事でありました。

 

“甲州”の垣根栽培はまだ一般的とは言えない状況です。サドヤで醸造している甲州も総て棚栽培のものを

使用しています。しかし、このような研究が進むうちに、醸造用甲州の栽培は垣根栽培が主流、という

ような時代が来ると面白いですね。(実現する為のハードルは相当高いと思いますが…。)

 

先ずは一度この手で、垣根栽培の甲州を醸してみたいものです。

 

※過去に配信したメールマガジンのアーカイブです。リンク先等が変更になっている場合もあります。

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